AIの画像処理技術を用いた車番認識システム

AIの技術活用は多岐に渡ります。ビックデータと呼ばれる莫大な情報が複合されたデータを分析し、予測モデルを導き出す「データマイニング」。AIスピーカーに代表される人の言葉を認識し対応する「音声処理」などさまざまです。今回はそんなAI技術の中でも画像を認識する「画像処理」と画像処理技術を応用した「車番認識システム」についてご紹介します。

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画像処理認識技術とは?

「車番認識システム」をご紹介する前に、画像処理・認識についてご説明します。

AI技術を用いた画像処理認識とは、映像などに映っているものを読み取り、それが何かを判断する技術のことです。よく例としてあげられるものとして「猫」があります。

人は「猫」を見れば「猫」と認識することができますが、コンピューターは「猫」が映っている画像があっても映っているのが「猫」と判断することができません。そこで画像認識が必要となってきます。

 

画像処理の流れ

人は画像を見て写っているものを認識できますが、コンピューターにとって画像はピクセル情報の集合体でしかありません。そこからどのように画像処理を進めるのでしょうか。

  • システムに大量の画像データと画像データがなにを表すかを示すラベルを読み込ませ学習させる

②システムが画像データを学習することで、対象物の特徴を判断出来るようになる「モデル」を作成する

③判断対象の画像をシステムにかける

④判断対象画像のノイズや歪みを取り除く

⑤輪郭、明るさ・色合いを強調・調節することで対象物を抽出しやすくする

⑥画像から対象物を切り出す

⑦対象物を②画像認識モデルと突合し、対象物の判断をする。

という流れにて、画像判断・処理を行っていきます。

 

画像処理技術の種類

画像判断・処理の流れはご理解いただけたでしょうか。

そういった流れを組む画像認識・処理にも様々な種類があります。今回は代表的なものをご紹介します。

 

物体認識

ある物体と同一の物体が画像中に存在するかなど、画像に含まれている情報を抽出する技術です。

 

顔認識

顔画像から目立つ特徴を抽出する技術です。その特徴を事前に登録しておくことで、登録された人物と写っている人物が同一人物かを判断します。顔認証はセキュリティ関連で多く活用されてきた技術ではありますが、最近では決済手続きなどのマーケティング関連など幅を広げている技術です。

 

文字認識

紙に書かれた手書きの文字や印刷文字などを判別する技術です。文字認識といわれてOCR(Optical Character Recognition)を思い浮かべる方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。OCRは「光学的文字認識」の意味で、印刷された文字を手書き文字をデータ化する技術です。ですが、フォントやクセ字などによっては文字を認識することが難しい事もありました。そこにAI技術である学習機能が加わると、より精度の高い文字認識が行えるようになりました。

 

車番認識

カメラで捉えた車両のナンバープレートを読み取り、ナンバープレートに記載のある「文字」「数字」を文字データ化する技術です。

 

活用例

このように多くの種類がある画像処理・認識技術ですが、「車番認識システム」はどのような場面で使われているのでしょうか。

 

入退場管理システム

工場などで多く利用されているシステムです。入退場の際、受付でナンバープレートの番号を記載した入館申請の記載を義務づけている施設などで、出入口にカメラを設置し、システムと連携することで、ナンバープレートを自動で読み取り、入退場の管理を簡略化することができます。

 

駐車管理システム

・入退場システム

事前にナンバープレートを登録しておくことで、登録済みのナンバープレートの車がカメラの前に止まる・通過するなどすることにより、ナンバープレートを読み込み、入退場ゲートの開け閉めなどを自動で行えるようにしています。

・駐車場精算システム

ソフトバンク社などが開発システムで、駐車場予約から、車両の入出庫確認、清算まで一環して行えるサービスなどがあります。

 

顧客判別システム

カーディーラーなどで利用されているシステムです。施設駐車場の出入口にカメラを設置し、システムと連携させることで、駐車場に訪れた車のナンバープレートを自動で読み込みます。読み込まれたナンバープレートを顧客リストと照合することで、その顧客がどんな人物で、どの営業担当で、過去どんな用件でご来店したかなどさまざまな情報を駐車から来店までの間に呼び出す事ができます。実際に来店の際には、準備をもってお客様を迎えることができ、質の高いサービスや顧客満足度の工場につなげることができます。

車番認証システムの導入

車番認証システムはさまざまな会社がいろいろなサービスを提供しているシステムです。導入することのメリットが大きい半面サービスによっては、読み取り確度や距離などに制限があるシステムもあったりします。自社サービスに一番役立つサービスをじっくり検証する事も必要です。

AIの技術活用は多岐に渡ります。ビックデータと呼ばれる莫大な情報が複合されたデータを分析し、予測モデルを導き出す「データマイニング」。AIスピーカーに代表される人の言葉を認識し対応する「音声処理」などさまざまです。今回はそんなAI技術の中でも画像を認識する「画像処理」と画像処理技術を応用した「車番認識システム」についてご紹介します。